恩方病院ロゴ

医療法人 永寿会恩方病院

menu

認知症

認知症は誰もがかかる可能性のある病気です。認知症は進行性の病気のため、ほかの病気と同じように、早期発見により初期の段階で診断を受けることが大切です。外来治療や入院医療によって症状の緩和を図り、適切なサービスへつなげます。

病棟からのご案内

「認知症で精神科病院へ入院するの?」と疑問をもつ方もいらっしゃいます。精神科以外でも認知症の診断はできますが、認知症で入院が必要な方は、いわゆる「徘徊」「睡眠障害」「妄想」「暴言・暴力」などの「周辺症状(BPSD)」と言われる症状を認める方です。精神科病院では、その「周辺症状」に目を向け、専門的な治療を行います。

認知症の症状

認知症の症状

治療方針

作業療法などによる活動量向上

日中は日当たり良好なホールや大きなベランダで体を動かします。日中活動により夜間はぐっすり休み、生活リズムを整えます。

認知症に特化したケア

認知症のスペシャリストである専門医をはじめ、看護師・作業療法士・精神保健福祉士などが協同してケアを行います。

適切な薬物療法

周辺症状(BPSD)を減らしつつ、自分らしい生活を送れるようにします。

症状に応じた院内連携

内科・歯科・眼科・皮膚科・整形外科の医師が必要に応じて診察します。

病棟紹介リーフレット(PDF)

認知症の作業療法

実際に生活する場面を念頭に置きつつ、患者さまの持つ認知機能・身体機能等の能力をしっかりと見極め、それらを最大限に活かしながらその人らしい日常生活を送れるよう、様々なリハビリテーションを提供しています。リハビリテーションの実施には、医師の指示のもと、多職種と協同しながらその方の退院先に合わせた支援を行います。

リハビリテーションの目的・効果

  1. 脳を刺激して認知症の進行を遅らせる効果が期待できる。
  2. 周辺症状(BPSD)の特徴をとらえ、活動に意識を向けることでの精神の安定を図る。
  3. 昔の経験等をもとに活動することで、よりその人らしさを取り戻すきっかけにつなげる。
  4. 体力の維持・向上
  5. 仲間やスタッフと共に活動することでコミュニケーションの機会の増加

病棟リハビリテーションの目的・効果

生活機能回復訓練

認知症による症状や患者さまの性格に応じたケアを行いながら「その人らしい」生活が送れるよう、総合的な支援を行なっています。当院では個別活動・集団活動・運動療法・口腔体操・ADL(日常生活動作)訓練等を幅広く行なっています。認知症治療病棟に入院している全ての患者さまが対象で、週5回、1日4時間を目安としています。

認知症患者リハビリテーション

1対1の個別形式で、より重点的なリハビリテーションを行います。患者さま及びご家族さまとの面接でニーズを伺い、作業療法・学習訓練療法・運動療法などを組み合わせて実施します。主に入院して1年未満の方が対象で、週3回を上限としています。1回あたりの時間は20分以上を目安とします。

精神科作業療法

集団で楽しく体操・歌・レクリエーション等を組み合わせた活動を実施しています。

精神科作業療法

認知症初期集中支援事業

日本国内の認知症患者数は2020年の時点で600万人を超え、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症といわれています。認知症の対策としては治療薬の開発、介護従事者への認知症教育の推進、介護施設の拡充などがありますが、そのなかの1つに「認知症患者と介護をする家族の支援」というものがあります。

『認知症初期集中支援事業』とは、その支援の一環として住み慣れた地域で今までどおりに暮らせるように、ご家族さまの連絡から認知症と疑われる人を早期の段階で支援する専門事業です。

認知症は早期発見で適切な対応をとれば進行を遅らせる可能性が高まり、患者本人や介護者の負担軽減につながります。認知症が疑われる段階で認知症初期集中支援事業のサポートを受けることにより、受診や判断の遅れ、不十分なケアによる症状の進行を最小限に食い止めることに繋がります。

認知症初期集中支援の対象者

  • 40歳以上の在宅生活者
  • 認知症が疑われている方(または認知症である方)
  • 医療・介護サービスを受けていない方

上記に該当する方を中心に支援しています。なお、適切な医療・介護サービスに結びついていない方もご利用いただけます。

活動の流れ

  1. ご家族に認知症の疑いなどがある場合、お近くの高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)へ相談
  2. 認知症初期集中支援事業での支援が必要な場合、医療機関への情報が提供される
  3. 認知症患者とそのご家族をおおむね6ヶ月間集中的にサポート
  4. 必要に応じて適切な医療・介護サービスに繋げるよう活動
  5. 支援終了後に経過をモニタリング

詳しくは当院の医療相談室、またはお近くの高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)へご相談ください。

認知症出張相談会

近隣の高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)である「もとはち南」「恩方」「長房」「川口」の4か所と連携を図り、認知症出張相談会を2ヶ月に1回開催しています。認知症による症状でお悩みの方、認知症かもしれないが医療に繋がっていない方などについて、高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)やケアマネージャーから相談を受け、当院の精神科医や看護師、精神保健福祉士が地域の方々とともに支援を行います。

入院が必要な認知症症状

認知症の周辺症状(BPSD)

  • 一人で出掛けて迷子になる事がある(徘徊)
  • 眠りが浅い、昼夜逆転している(睡眠障害)
  • 自分の物が盗られた、無くなったと話す(妄想)
  • 以前より怒りっぽくなった(暴言・暴力) など

家族や支援者の関わり

  • 認知症の診断を受けている方、または疑いのある方への接し方
  • 支援方法
  • 医療へのつなげ方 など

医療との連携

  • かかりつけの医療機関との連携方法
  • 外来医療・入院医療のどちらが必要な状況なのか など

詳しくは当院の医療相談室、またはお近くの高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)へご相談ください。